以前、朝日岳山頂で朝日を迎える予定で那須岳を訪れたことがありました。その時は見事に寝坊してしまったため、再びその目論見を果たそうとやってきたのですが、体調不良のため途中撤退となってしまいました。ここ20年くらいは、病気で寝込んだことの無い丈夫な私が、二週間ほど前に風邪をひいてしまいました。熱こそありませんが、鼻水や咳などの症状は、いつまたっても治りません。そこで「山で大汗流せば、イッキに完治」と考えたのですが・・・
日の出の時刻は4時20分頃、朝日岳山頂までのコースタイムは1時間半。私は余裕をもって午前2時20分駐車場を出発した。登り始めてすぐ、ふだんより激しい動悸を感じた。峰の茶屋跡避難小屋までは、傾斜の緩いラクラク登山道である。昨晩車中泊した際に呑んだアルコールが、まだ抜けきっていないのだろう、とその時は思った。
しばらく登ると突然吐き気に襲われ、こらえきれず吐いてしまった。その後も繰り返し嘔吐感に襲われたが、胃の中が空になれば楽になるのではないかと思い、むしろ積極的に吐き出した。しかしたびたび嘔吐したせいか、胃がキリキリ痛みだした。うずくまって我慢していると、次は悪寒がして体が震えだした(気温は高かった)。さすがにこうなると、登山は断然せざるをえない。
お金と時間を費やしてはるばるやってきたのに、しかも微風快晴の絶好の登山日和だというのに、残念至極である。東の空が色付き始め美しい。ツエルトを被り、ストーブで暖をとりながら曙光を待つことにした。

吐瀉物で汚したことを山に詫び、下山開始。途中数名の登山者ですれ違い、「もう登ってきたんですか?」「避難小屋に泊まられたのですか?」と尋ねられた。胃の痛みと吐き気の収まらない私は、会話するのも億劫で、「忘れ物をとりに」と一言。
午前4時58分駐車場を出発し、家路に就いた。これだけ早い現地出発はもちろん新記録で、当分破れそうにない(破りたくも無い)。運転していると眠くなったので、道の駅で1時間半ほど仮眠。すると体調はすっかり回復し、風邪もなんだか治ってしまったようだ。「山で大汗流せば、イッキに完治」ではなくて、「山で大ゲロ吐けば、イッキに完治」が正しかった。今回は汚くてすみません。