今回は、前回の山行のやり残しを消化するための山行です。すなわち帝釈山でご来光を迎えた後、台倉高山に登ることです。初めて帝釈山を訪れた時、あまりに簡単に登れてしまうこと、その結果多くの人で賑わっていたことなどで、もうこの山に来ることは無いだろうと感じました。しかし日帰りでご来光を眺めるには最適な山の一つであると、その後考えを改めました。未明の山道を歩く登山者は滅多にいませんし、山小屋もありませんので、山頂の特等席を独り占めして大展望を楽しめるからです。
舟岐川沿いの林道は、今回も前月と同様、林道途中で通行止めになったままでした。看板に書かれているような土砂崩れの跡はないし、地元の車は何台も登山口まで上がってきていました。なぜでしょうね?
前夜10時頃桧枝岐村に到着。前回と同じ場所で車中泊することになった。午前4時前からヘッドランプを点けて林道を歩き始めた。月齢14日の月の光は、ライトが不要なほど明るい。林道を歩いていると、車が一台上がって来た。通行禁止の林道を、こんな時間に走行するとは不審な車である。もっとも運転手から見れば、暗い林道を歩いている私の方が、よほど不気味だったかもしれない。
約40分で登山口の馬坂峠に到着。今日も数台の車が駐車していて、車中泊している人の姿が見えた。
左は夜明け前の帝釈山山頂。背景は燧ヶ岳。

地表に近い大気が澄んでいないせいか、太陽の光が弱くて、やや物足りないご来光だった。無風快晴の山頂は、静寂を極めていた。
再び馬坂峠に戻り、これから峠の反対側の台倉高山に向かう。登山口は帝釈山登山口の真向かい(赤い矢印)にある。3週前に訪れた時は無かった真新しい指道票が、設置されていた。

コースのちょうど中程で小湿原が次々と(3つ)現れた。小さいながらも湿原は、光が溢れ美しい。ここで不意にカモシカと遭遇し、長い時間(と言っても5秒くらい)見つめ合ってしまった。私は敵意が無いことを伝えるため、ニコッと笑顔を浮かべ、「そうだ記念写真を撮ってあげよう」とカメラを取り出そうとした。カモシカは「ニヤッと笑った人間が、ピストルを出そうしている」と勘違いしたらしく、足早にしかし堂々と去っていった。あろうことか巨体を揺らしながら、湿原の中をである。オイオイ。

台倉高山に至る登山道は、概ね傾斜が緩やかで、小湿原手前の登りと、最後にひと息の登り坂がある程度だった。山頂はこじんまりとしていて、展望が良い。ここでカップラーメンとおむすびで食事を済ませた。
中間点の小湿原付近から、次々と登山者(5パーティ)に出会った。うち2パーティは10数名の団体だったので、小さな山頂は超満員になってしまうだろう。腰をおろすどころか、立っている場所も無いのでは?
左は唯一の水場。ここまで下ると、馬坂峠は近い。私は頭から水を浴びて汗を流した。あまりの冷たさに、大脳機能がしばしの間、完全に停止した。
林道を下っている時、これから帝釈山に向かう熟年のご夫婦と、しばらくお話した。田代山まで計画されていたそうだが、予想外の林道歩行のため、帝釈山だけ登るとのことだった。
午前10時48分、駐車地点に帰着。今日は好天に恵まれた3連休の中日のため、交通渋滞は必至である。渋滞に巻き込まれずに帰宅できるよう、温泉はあきらめて家路へと急いだ。