シダンゴ山

娘のクラブ山行に、コッソリ同行

悠々独歩 No.98 2004/07/10

寄−シダンゴ山−宮地山−田代向

「他人のフリしているなら、ついて来てもいいよ」と娘も快諾してくれたので、今回は娘の所属するクラブ(自然愛好会)の月例山行に、同行することにしました。

シダンゴ山は山頂までわずか1時間10分で登ることができます。半年以上も山から遠ざかってしまったうえ、3ヶ月前にギックリ腰を患ってしまった私にとっては、こんな小さな山にも一抹の不安を感じての出発となりました。

自宅から最寄の駅までは娘と一緒。娘は改札口で友達と待ち合わせしているため、駅手前100mで、しばしの間他人になって、付かず離れず歩くことにしました。

なお、今回のレポートは必ず娘も読むと思うので、「こんな大人になるなよ」というメッセージを添えたくなり、余計な事をずいぶん書いてしまいました。


バスの中で新松田から寄に向かうバスの中で、こっそり撮影しようとしたところ、不覚にもストロボが発光してしまった。何人か振り返り、カメラを持った私に視線が集中、「あのオジサン、何者?」とでも言いたげな表情をしたお嬢さんもいて、あせりまくった。

全員、きちんと揃えた膝の上にザックを乗せ、和やかに会話しているので、ちょっと感心した。というのも今日の電車の中で、買い物袋を両脇に置いて座席を3人分占領するオバタリアンや、大股開いてふんぞり返るダメオヤジや、こんな親に育てられたと思われる、ズボンをずり下げた男子学生達のお粗末極まる醜態を目にしていたので、慎ましやかな娘たちの一行は、父にとって嬉しく感じられたのである。

娘は自然愛好会の山でのマナーの良さを、力説したことがあった。信じてよさそうである。

水場娘たちより、先に歩き始めた。まずはバス停のすぐ近くの大寺橋を渡る。集落の中を少し進むとシダンゴ山への指導標があった。この指導標は二分する道の中間を指していて、どっちに進んでいいものか分からない。(こういう役にたたない標識は、時々見かける)

地図を出そうとしたところ、斜め後ろにも標識が立っていた。後は集落の中を、要所要所に設置された指導標に導かれて歩く。

左は行程中ほどにある水場。空梅雨でも十分な水量があり、顔を洗い喉を潤した。

樹林帯を登るシダンゴ山は、四季を通じよく登られる山といわれている。ただし低山のため夏は暑すぎるので、人は少ない。今日も山頂まで誰にも出会うことは無かった。

山頂からの展望

あっけなくシダンゴ山の山頂に到着。簡単に登れるわりには展望が良く、気分のいい山頂である。すでに登山客が7〜8名寛いでいた。

シダンゴ山の祠山頂にはいくつかベンチがあるが、どこも荷が広げられていて、腰を下ろす場所はなかった。人が座っているならともかく、占領しているのは荷物だけで、先客たちは全員木陰に寝そべっていた。

地べたに座ると、植林された低木で風が遮られて暑いばかりでなく、展望が得られない。やむなく山頂の祠(左)の角に腰を下ろし、自然愛好会の一行を待つことにした。

ベンチも電車の座席同様、人が座るところで、荷を置く場所ではない。シダンゴ山の登山客も、電車で見かけた場所取り人間の同類かと思えてきて、情けない。娘達も「あの人たち、いったいなんなのー」と憤慨していたと語った。

娘たち一行が到着ベンチのひとつが空いたので、その一角に座ると程なく、自然愛好会一行が到着した。やはりどこで休もうかと思案している様子なので、私は腰を上げ、「空いたよ」と口には出さず、視線で合図を送った。

テレパシーが通じたようで、娘さんの一人から「ありがとうございます」と感謝された。先客達は相変わらずで、自己チュウから醒める気配はない。

欧米人は子供の頃からマナーのトレーニングを受けているので、スマートでカッコいい男が多い。日本人は人柄は良くても、マナーや立ち振る舞いの点では、洗練された欧米人に比べ、総じて野暮で垢抜けなく、みっともない。

余談になるが、近年結婚しない女性が急増し、年金問題と絡んで少子化が社会問題になっている。「今の日本、いい男がいない」と嘆く彼女らの主張はそれほど、わがままでも、的はずれでもないような気がする。「他人への気遣いを持ち、サムライのように常に折り目正しくできないものか」と感じること、頻繁である。

反面いい女も少なくなっているのも事実で、センス良く着こなした若くて綺麗な女性が、電車の中で携帯電話で世間話を、平然と始めたりする(これは車内放送の徹底でその後激減したが、化粧する女性は相変らずである)。お里が知れるとはこのこと、正体はオバタリアンであることが暴露されるというものである。

宮地山山頂娘と視線が会うと、娘はニヤニヤするし、自分の顔の筋肉も緩んでしまう。バレてしまうといけないので、早々にシダンゴ山をたち去ることにした。

ひと汗かいて宮地山に到着(左)。展望もなく、金網が張ってあって、風情に乏しい。水筒の水を一気に飲み干してから、即再出発した。

宮地の集落に入ると、小雨が降ってきた。今回、娘たちはスイカを背負ってきている。マス釣り場付近でスイカ割りをする予定で、私もその様子を覗くつもりでいた。しかし田代橋に到着する頃には、本降りとなってしまったので、先に家に帰ることにした。

田代向のバス停中津川で頭と上半身の汗を洗い流し、新しいシャツに着替えた。

今回は娘の後に付いて帰るつもりだったので、バスの時刻表を調べておかなかった。幸い次のバスは20分後であった。

ログハウス風の待合所内の、外から死角になっているところで、手早くズボンも履き替えた。


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