私は高速代節約のため、上信越方面の山行の帰りに国道141号をしばしば通るのですが、臼田町あたりから見上げる茂来山が常々気になっていました。今回は、夜行登山で角間山でご来光を拝んだ後、スキーで滑降、その後茂来山の霧久保沢登山口に車で移動し、茂来山を往復という計画を立てました。しかし小さなトラブルが続出し、どちらの山頂も踏むことができませんでした。
最近、山以外にも心惹かれる関心事があり、集中力が散漫だったようです。トラブルがあったとはいえ、大事には到らなかったし、天気もまずまずで、マァ イッカといった気分です。
旧鹿沢スキー場の駐車場は県道に面しているため、落ち着けないと思い、手前の湯の丸スキー場の駐車場で車中泊した。目覚めるとフロントガラスが結露で凍結し、それがなかなか取れないため、発車できず出遅れてしまった。
闇夜の旧鹿沢ゲレンデをつぼ足で登りはじめた。意外に雪が深くシールを装着、その際接着面に雪が付着したのかもしれない。しばらく歩いているとシールが剥離し、粘着面に雪がべったりついてしまった。フリートレックのシールはエンドフリータイプなので、ガムテープでも無ければお手上げである。今回は半日コースということもあり、補修具は持参してこなかった。やむなくスキーのトレースの上をつぼ足で登った。しばらくしてルートを間違えているのに気付いた。トレースは角間峠ではなく、湯ノ丸山方面へ向かっていた。トレースを外すと、膝上まで没するので、そのまま進むことにした。
旧鹿沢スキー場上部の樹林帯で夜が明けてしまった。
このまま湯ノ丸山に登るのも悪くないが、湯ノ丸山は前々回の山行で登ったばかりである。天気予報によると好天は長続きしないようなので、一刻も早く次の山「茂来山」へ移動すべく、ここで下山することにした。
中途半端なスキー登山になってしまったが、それでもすがすがしい朝の光に包まれて、樹林帯を滑り、誰もいない旧鹿沢スキー場を爽快に滑りおりた。
6時45分頃駐車場に戻り、アーミーナイフとコンパスが無いのに気付いた。首から紐で下げ、コードロックで紐の輪を小さくしておいたので、容易には落ちないはずである。紐が切れたのだろうか。
浅間サンライン、141号、299号を通って、茂来山の霧久保沢登山口に向かった。登山口の標識を見落として行き来したが、一時間ほどで林道入り口に到着。林道を進むと雪道になり、轍が深くなって車の腹をこすり始めた。少し手前にあった駐車スペースまでバックし、空地に車を入れたところで、スタックしてしまった。先月取り替えたばかりのスタッドレスタイヤも、溝を深く掘るばかりである。ミシュランのDRICE(ドライス)というタイヤ、この程度でエンコしてしまうようでは、今後が心配だ。
まずは説明書を読みながらチェーンを装着したが、車の腹の一部が雪に乗ってしまって脱出できない。仕方ないので除雪に取り掛かった。あいにくスコップは無く、おまけに硬いざらめの雪のため、ドライバーで雪をたたきわり、クッカーで雪を取り除くといった作業を繰り返した。この脱出作業に1時間半もかかってしまった。
9時45分、ようやく出発することができた。5分もしないうちに茂来山の霧久保沢登山口の駐車場に到着。その先はゲートで封鎖されていた。
(左)しばらく雪の林道を歩き、ここから登山道へ入る。
青空の下、明るい樹林帯を歩くのは気分がいい。道標、赤布も要所要所にあり、切り開きも大きく夏道がわかりやすい。
淡いながらトレースもあり、楽チン楽チンと思っていたら、急坂の途中でトレースが消えてしまっていた。ここで撤退したようである。そこから先は大変なラッセルを強いられることになった。急斜面なので、向かう雪面は腹まで潜ってしまう。こうなると全身を使って泳ぐようにしないと登れない。ヤマケイガイドブックには「登山適期は通年。冬でもロングスパッツと軽アイゼンがあればよい。」と書かれており、ワカンの類は持ってこなかった。ガイドブックを鵜呑みにしたつもりはないが、予想をはるかに越える積雪量であった。
稜線まであと100m余りと思われるも、5歩登って4歩ずり落ちるといった具合でいっこうに捗らず、へたりこんで座っていると、犬が3匹、続いて単独行の男性が登ってきた。その方と交代でラッセルすることになる。
(左)必死にラッセルする主人の周りを、大喜びで3匹の犬が駆け回っている。失礼とは思いながら、あまりに微笑ましいので、こっそり一枚撮らせていただいた。
低気圧が近づいてきたのか、空は高曇りとなり、遠くの山々は霞んでしまった。二人ともつぼ足のためペースが上がらず、山頂にたどり着いても眺望は期待できそうになかった。
私には帰ってからやらなければならない仕事があり、下山予定時刻もとうに過ぎていた。なによりも車での林道走行が心配だったし、帰りの道路渋滞に巻き込まれなくなかったので、その方に申し訳ないと思いつつ下山することにした。お互い、感謝の言葉を交わして別れた。
一気に車に戻り、家路を急いだ。野辺山付近で小雪が舞い始め、韮崎から先は雨が本降りとなった。