無雪期のハイキングから、オールシーズンの山歩きを再開しようと思うきっかけなったのが、燧ヶ岳です。私だけでなく、ハイキングをあれほど嫌がっていた当時中学一年の娘が、燧ヶ岳山行後に学校のハイキングクラブへ自ら入部したのです。娘は「あんなに綺麗な景色は今まで見たことがない」とまで言うようになりました。山登りは遠慮したいと言う家内も、燧ヶ岳だけはもう一度登ってもいいと話します。我が家を虜にした燧ヶ岳に今回はスキー登山です。

御池の駐車場を(多分)私が一番で出発。
連休後なので明瞭なトレースがあると思っていたが、ほとんど消えてしまい、急斜面に散見する程度だった。

朝靄の広沢田代。この上なく、すがすがしい。

ふり返れば会津駒ヶ岳
何度も何度も立ち止まり、展望に見入った。山行満足度はすでに200%に達していた。

熊沢田代と燧ケ岳。暖冬だったせいか、思ったよりも雪が少ない。
夏道を忠実に登っていったが、山頂近くでヤブの袋小路に行き当たってしまった。降るのも業腹なのでヤブに突入する。ほんの数十mと軽く思っていたのが失敗で、すさまじいヤブだった。ヤブのしっぺ返しを額に受け、その衝撃で右目のコンタクトレンズを紛失してしまった。おまけに眉間からは血がにじんできた。ようやくヤブをぬけ、予備のコンタクトレンズを装着しようとザックを探したが、ない。別のスタッフバッグに入れ、家に置いてきたしまったようだ。メガネは車の中だし、片目山行を余儀なくされることになってしまった。
横着しこんなところへ踏み込んだことに、バチがあたったと思う。

俎グラ山頂にてセルフタイマー撮影。
誰もいない静かな山頂はポカポカと暖かく、40分ほどくつろいだ。
時間に余裕があったので、予定外だったが柴安クラまで足をのばした。こちらが燧ヶ岳最高地点。
こちらの山頂からは景鶴山や大白沢山などがよく見える。
2週間前は雪野原だった眼下の尾瀬ヶ原も、雪がすっかり融けてしまっている。
柴安クラの東側斜面はピッケルが欲しいくらいの雪壁となっていて、登りは一気に直登したが、帰りは右側の這松を伝って降りてきた。
数人の登山者が私が登る時に付けたトレースを辿ってしまい、往生している。とうとう先頭を行く人が滑落、斜度の緩くなったところで止まった。しばらくすると別の人がまた滑落、今度はバリバリと音をたてヤブにぶつかって止まった。
いよいよ雲上の滑降である。準備をしていると、左のヤブからスキーヤーが憔悴した面持ちで現れた。私と同じことをする人がいたので、思わずニヤリとしてしまう。私はショートスキー(フリートレック)だったが、彼は長い板を付けていたので、ものすごく大変だったろう。ヤブの中にまだ仲間がいるようで、さかんに声をかけていた。
滑り始めると、片目なのでバランスがとりずらい。単独行の私には怪我は禁物、常に転ばないようゆっくり滑るが(実際は転ぶ)、今日はよりいっそう慎重に滑り降りた。
熊沢田代へは意識して左方向へ進路をとったが、左に行き過ぎてしまい、ヤブっぽいところに入り込んでしまたった。
再び熊沢田代にて。ベンチに腰掛け幸福な時間を過ごす。雪代の水を湛えた池塘が美しく、立ち去りがたい。
熊沢田代から広沢田代に降りる急斜面が、今回一番気持ちよく滑ることができた。
広沢田代でもたっぷり休憩をとり、眺望を楽しんだ。
広沢田代から下は樹林が密になっていて、夏道をはずさないよう滑ると、横滑りでズルズル降りる場面が多く、その上雪も汚れているので、早々と板をはずしてしまった。

御池駐車場近くの湿地帯に咲くミズバショウ。来週あたりから見頃のピークを迎えそうだが、このくらいの方が可憐に思える。
10時頃には駐車場に戻れると思って出発したが、もう12時半である。ヤブコギしたり、柴安クラまで足を延ばしたこともあるが、見飽きることのない展望に時のたつのを忘れたようだ。